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フードロス削減!今だからこそ野菜の『皮』を食べる。

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フードロス削減!今だからこそ野菜の『皮』を食べる。

目次

皆さんは野菜や果物を食べる際、皮まで食べていますか?あなたが捨てているかもしれない野菜の皮は、私たちの健康と未来を支える新たな鍵となるかもしれません。この記事では現代だからこそ取り入れたい野菜の皮の魅力についてご紹介いたします。

漢方の知恵「一物全体」

古くから、“一物全体(いちぶつぜんたい)”という考え方があります。これは、命あるものを丸ごと食べることで栄養を効率的に摂取できるというもの。

昔は食べ物が手に入りにくかった時代であり、一物全体の考え方が一般的でした。お漬物やみそもその一環。漢方ではみかんの皮を干した陳皮が生薬としても利用される等、その食材の栄養価が最大限に活かされています。

「過剰除去」は、家庭から出るフードロスの第3位

それでは、私たちは日頃どのくらい野菜の皮を剥いて捨てているのでしょうか。実は環境省が発表した最新の食品ロスのデータによると、家庭から出る食品ロスの内訳の第3位が『過剰除去』つまり、食べられるのに捨てられている部分が含まれているのです。

健康を維持するために不可欠な栄養素が不足しがちな現代の「食」

さらに、現代の食は食べ方によっては炭水化物や糖質、脂質の栄養価を過剰摂取しやすく、健やかな成長に欠かせないビタミン、食物繊維、鉄分、ミネラルが不足しやすい食環境と言われています。確かに忙しい毎日に助かる手軽な食べ物は炭水化物や糖質を中心に構成されています。

深刻化する子どもの栄養不足問題

※調査実施概要
調査手法 : インターネットリサーチ
調査時期 : 2018年9月
調査対象 : 東京都在住・女性・25歳~49歳
調査タイトル :「子どもたちが普段食べている食事」
調査その他条件 : 6~8歳の子を持つ女性

このように現代の食は豊かな一方で、健康を維持するために不可欠な栄養素が不足しがちです。だからこそ私たちは毎日の食事で余す事なく栄養を摂る事が大切なのです。

なぜ野菜の「皮」に栄養があるのか?

そもそも、なぜ野菜の皮には栄養が豊富なのでしょうか?その理由は、作物の外側に位置する皮が、日光を浴びて光合成を行い、栄養分を豊富に生み出しているからです。光合成は植物が成長するために不可欠なプロセスであり、特に外側にある皮はこのプロセスを促進させ、栄養を蓄えます。

さらに、紫外線や外敵から身を守るためにも、野菜の外側、特に皮に栄養が集中しています。

にんじんや大根などの土に埋まっている根菜類は、直接日光に当たりませんが、これらの植物も外側の皮を通して、根から葉にかけて養分を届けようとするため、外側に栄養が集まる特徴があると言われています。

代表的な野菜の「皮」にはどんな栄養があるの?

にんじん

にんじんは身体を酸化(サビ)から守るβ-カロテンが多く含まれていますが、驚くことに皮は実に比べて、β-カロテンが約2倍も多く含まれています。

油に溶けやすい性質を持つため、毎日の料理で食べる時は油で炒めることで吸収率が向上します。

にんじんの皮には中心部の約2.5倍のβ-カロテン!

ゴボウ

漢方ではゴボウは体力増強や疲労回復にも効果があるとされ、筋肉の疲労を解消するために利用されています。

またゴボウの代表的な成分であるポリフェノールは、皮の部分に中心部の約2倍の含有量があるとされています。ポリフェノールは強力な抗酸化力により体内の酸化、つまり体へのダメージ蓄積を軽減し、若々しさの維持に役立つことが期待されています。さらに皮つきのままで食べる事でゴボウの風味が増し、味わい深く美味しくなります。

ごぼうの皮には中心部の約2倍のポリフェノール!

玉ねぎ

玉ねぎの皮は特に捨てられることが多いですが、特に代表的な栄養価であるケルセチンは血行を促進し、血管の健康をサポートするとされています。

実はこのケルセチンは皮に豊富に含まれなんと実と比べ約20倍ものケルセチンが含まれいるのです。ケルセチンは水に溶けやすいため、お茶にしたり、皮を煮だして出汁を取ったりすることで効果的に摂取できます。

玉ねぎの茶色い皮に約20倍のケルセチン

食材の薬膳的意味合いについては、「薬膳食材図鑑」をご覧ください。

■野菜の「皮」が温暖化対策に直結!?

さらに野菜の皮を摂ることは、地球温暖化の課題解決に直結しています。

日本の食品ロス

※農林水産省および環境省「令和3年度推計」

廃棄された食品には水分が多く含まれているため、紙などのゴミを燃やすよりも石炭や石油燃料が必要になり、地球温暖化の原因でもある多くの温室効果ガスが発生します。
最新の食品ロスのデータによると、一般家庭から出る食品ロス244万トンの内、野菜や果物など食べられるのに捨てられている過剰除去は34万トンにも及びます。私たちが日常の食事で捨ててしまう野菜の皮を有効に利用することは、環境問題への大きな貢献となります。

野菜の「皮」の活用は、健康と環境問題への素晴らしいアプローチのひとつ。

ここまで、野菜の皮についてご紹介してきましたがいかがでしたか?

今回は野菜を取り上げ“一物全体”の考え方の意味に焦点を当てました。野菜の皮を有効活用することは、日常の食事から実践できる健康と環境問題への素晴らしいアプローチです。皮を取り入れたり、まるごと食べたりすることで、野菜が持つ栄養を最大限に引き出すことができます。

是非、これらのアイデアを取り入れ、食卓を豊かにする新しい習慣を楽しんでみてください。健康的で美味しい食生活が、今後も皆さまにとっての幸せの形となりますように。

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一般社団法人 栄養まるごと推進委員会
理事兼事務局長 萩野 文乃

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